腰痛

年齢を重ねるにつれて、腰痛をお持ちの方が多くなります。その原因としては足への痛み・しびれ(坐骨神経痛)を伴う腰椎椎間板ヘルニア、骨が弱くなることによりいつのまにか起きる圧迫骨折、歩いていると足が痺れてくる腰部脊柱管狭窄症などありますが、多くは診断がはっきりしない慢性腰痛に分類されます。

最近わかってきたこととして、これらの痛みの多くは骨盤にある仙腸関節からの痛みが原因です。しかし仙腸関節については画像診断のみでは困難であり、多くの医療機関では残念ながら診断がつかない場合が多いです。そのため診断するには画像診断に加え、丁寧な問診、診察が必須となります。仙腸関節由来の痛みは、起床時と長く座ったのちの痛みが特徴的です。

仙腸関節の治療としては、薬物治療、コルセットでの治療、物理療法(腰の牽引や電気治療)、リハビリテーション、注射治療などがあります。当院の特徴としては仙腸関節に対するリハビリテーションを以前より取り組み、1-2週間に一度仙腸関節の調節を行うことにより治療を行っています。治療を行っても症状がすぐに再発する場合は、下肢の長さに差があったり、膝のぐらつきがあったり生活習慣に問題があることが多いため、そちらの治療・指導も並行して行っています。7-8割の患者様は1-2か月で効果が実感されているようです。

なかなか治らない腰痛でお困りでしたら、治療を受けてみてはいかがでしょうか?

治療はストレッチ、生活指導、リハビリテーションを基本としています。

また妊娠中あるいは産後の腰痛にも効果があることが多いようです。

代表的な症例を紹介します

症例1  ぎっくり腰

30代の男性。前かがみで物を持とうとしたら腰がぎくっとなり腰痛で来院。腰を抑えながら入室。

診察にて仙腸関節が原因と判断。レントゲンでは特に異常なし。

仙腸関節を理学治療し、コルセットを使用し、痛みは軽快。

また痛み止め、芍薬甘草湯(関節の緊張をほぐすため)を処方。

このようば症例の場合、当院では投薬・注射・コルセット・仙腸関節の治療・干渉波の治療を患者様の状況に応じて組み合わせます。

 

 

症例2 腰痛 下肢の痛み

50代の女性。1か月前より腰痛があり。最近になり腰痛は少し改善したが、右大腿の痛みが出現し来院。

診察すると筋力低下、腱反射の低下等なし。右仙腸関節はやや固い印象。

仙腸関節の障害と判断し、仙腸関節に対する理学治療を行った。

大腿の痛み腰痛は改善。

その後は投薬、干渉波治療を行った。

腰痛、下肢の痛みの場合、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症もあるため、MRIを治療と並行して行うこともあります。

症例3 出産後の腰痛

30代女性 出産後より腰痛がある。半年が経過しても動き始めに痛みがあり来院。

診察すると神経学的異常はなく、仙腸関節にはひっかかりがある。

仙腸関節に対し理学療法を行ったところ、症状は軽快。