漢方薬は2000年ほど前より様々な病気に使われてきました。しかしながら西洋医学が日本に導入されると徐々に使用されなくなり、私が病院で整形外科医として勤務している頃には、整形外科ではこむらがえりを治療する芍薬甘草湯のみ使われていました。
そのため開業時にはほとんど使っていませんでしたが、診療の最後に地域の患者様に『何か困っていることはありませんか?』と聞いていましたら、『めまいがあるがなかなか良くならない』とか『冷え症』で困っているなどと言われ、何か良い治療がないかと考えていたところ、漢方薬とのめぐり逢いがあり、現在では70種類ほど使用しています。
漢方薬は生薬の組み合わせで成り立っており、例えば有名な葛根湯の場合、葛根・桂皮(シナモン)・タイソウ(ナツメ)・芍薬・麻黄・生姜(ショウガ)・甘草で構成されています。2000年近く使われていたため、副作用の多い漢方薬は淘汰され今に至っていると考えられるので、比較的安全に使えると考えております。
また漢方薬のメリットとしては一般的な薬の効果には殆どない体を温める作用や、副作用なく気持ちを落ち着かせる効果などが付随している薬があります。
ただし、個人によって体質が違うため、オーダーメードの処方が必要であることから、何種類かの漢方薬を試す必要があります。
当院で使用している代表的な漢方薬としては
葛根湯 風邪の引き始め。ただしがっちりとした体格の方に
また肩こりにも効く場合があります
香蘇散 お年寄りの風邪の引き初めに
柴胡桂枝湯 葛根湯に引き続いて
二朮湯 肩の痛み、四十肩などに
芍薬甘草湯 こむら返りの特効薬 また関節・筋肉を緩めるためぎっくり腰にも使います。
牛車腎気丸 下肢の痺れ、痛み、腰痛に。またこむら返りが頻回に起こる場合にも使用されます。
防已黄耆湯 むくんでいる膝の痛みがある方に
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 冷え症 しもやけ クーラーがあたると調子が悪い人
五苓散 雨の前に痛みが出る場合に 二日酔いの予防・治療
苓桂朮甘湯 高齢者のめまい
治打撲一方 打ち身や青あざを早く治したい場合 また骨折の時に
補中益気湯 体力が落ちている時に。夏バテやインフルエンザの予防に
六君子湯 胃が弱い方や食後眠くなる方に
防風通聖散 体重を落としたい場合
呉茱萸湯 片頭痛に
その他の漢方薬も使用しております。
また試してみたい漢方薬があれば診察時にお話し下さい。
治療適応がある場合、例えば防風通聖散であれば
68.25円/日×30日=2048円/月
3割負担の場合それの3割ですので
614円/月となります。
漢方は決して高価ではありません。
私個人としては、むくみがある場合や、雨の前に五苓散を愛飲しています。
なお継続して飲む場合、半年に一度程度血液検査で副作用が無いかの確認をおすすめしています。
最後に漢方薬の飲み方としては
もともと煎じ薬でしたので少量のお湯に溶かして食事に影響のない時間(食間や食事前30分)に飲むのが基本です。ただし苦い漢方薬もあるため、オブラートに包んだり、水で流し込んでいただいても構わないです。忘れてしまった場合食後でも良いですが、効果が若干落ちる場合もあります
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